「好きなおもちゃ1個だけよ!」
子供の頃、滅多にないお母のOKを貰い、首輪を外された犬のようにおもちゃ屋にダッシュで飛び込んで行く僕の少年時代。誕生日やお年玉ゲット後が子供の時の最大のイベント。大概はピンポイントで欲しいものが決まっているので迷わず商品決定。だけど、たまに欲しい物が決まっていない時もある。
『どうしよう!何にしよう!これも良いな!あれも良いな!』
子供ながらに迷いが生じ焦る。それと、たまたま連れて行って貰ったおもちゃ屋さんの品揃えがドイヒーだった場合。欲しい物がない場合。これも迷いが生じ焦る。だからと言って買わないという選択肢はあり得ない。
『どーしよう。。。何にしよう。。。』
どちらも選べず迷う。決めることができず迷う。時間が刻々と過ぎて行く。どーすんの!と痺れを切らした親のプレッシャーも入って来た。
『どーしよう。。。どーしよう。。。』
本日のFeeling Radio
記事のBGMにどーぞ。
Super Preachers -『Hands Up』
特異体質
少年時代から僕はこうなると決まって起こる症状がある。僕が持ってる『特異体質』。それは何故だかどーしてか、ちんちんがキューンとして来て萎縮して行くような感じになること。そしてなんとも言えない不快なマイナスな感情が心いっぱい広がり泣きそうになる。『あ”ぁぁぁ』ってなる。
そして無理やり商品を決める。欲しくなくてもなんでも良いから決める。このちんちんキューンから逃れる方法は決断することだから。もうこれで良いやと。たまに起こるこれが嫌で嫌でたまらなかった。しかもそうやって決めた後にいつも後悔した。あっちの方が良かったなって。
大きくなって知った言葉は『優柔不断』。どうやら僕はこれらしいと。僕だけかもしれないこの特異体質ちんちんキューンは『優柔不断』が度を越すと起こることが判明。子供の頃は理由も分からずちんちんキューンになって『あ”ぁぁぁ』とよくなった。『またなったぁぁぁ』と。
余談ではありますが、あと右耳掃除すると嗚咽するほど咳き込む特異体質保持者でもある。何故か右耳だけ。が、これはあまり生きることに支障はないのでほっといている。
きっと大なり小なり皆んなあるのではないでしょうか?皆んなそれぞれの特異体質。太陽を見るとくしゃみ出る人。無意識にクサイ匂いを好んで嗅いでしまう人。人が大勢いるところで大声出したくなる人。強く怒られると思考が停止して蝋人形のようになっちゃう人。ナドナド。。。
そんな自分の意思とは関係なく、しかも意味も分からずやってしまう行為や、なってしまう自分の状態。僕は今のところまだ生活に支障が少ないから良いけど、いつ他の特大の特異体質を身に付けるとも分からない。
未だに自分のことを意外と知らない自分がいるし、きっとまだまだ自分が知らない自分に出会うことがあると思う。そうやって人は成長して行くものなのだろう。それでもってその都度その都度で、自分の取扱説明書を日々更新して自分とうまくお付き合いして行くんだなぁとか思う2017旅の空。
昆明〜麗江 長距離列車の旅
相変わらず厳重な警備体制と荷物検査をかいくぐり駅構内へ。ここ雲南省昆明から麗江まで約8時間。今回はタイミング悪く中国の建国記念日に当たる国慶節と重なり国民大移動って感じで大混雑。7億人が旅行するらしい。。。お陰様で席の確保ができず立席で向かうハメに。ここから1週間国民の祭日とのこと。
人混みの中電車に乗り込み居場所を探す。すると運良く補助席を確保できた。立ちっぱなしで8時間にならなくて済んで良かったぞ。有難い。電車はゆっくり北上。途中車掌さんのチケット確認や飲食物販売などほとんど日本と変わらず。タバコも電車の連結部分で吸える。意外と快適だな中国電車旅。音楽を聴きながら景色を楽しみつつ麗江へ向かう。
1時間も走り都会を離れれば、田園風景広がる田舎の風景へとすぐ変わる。途中、雨が降り出し幻想的な風景にも出会えたり。
麗江駅から市内への移動方法
午後5時半ごろ麗江駅に到着。中心地へはバスで向かう。皆んな同じ考えのようでバス停は一瞬のうちに人だかりに。バスは4、16、18番が駅を巡回している様子。他の旅行者は次々にバスに乗り込み各自の目的地へと消えて行く。はてさて僕はどのバスでしょう?どれどれと路線図を確認してみても良く分からない。
こんな時は地元の人に聞くのが一番でしょと宿の客引きのおばちゃんに聞いてみる。泊まる宿の場所を示した地図を見せバスの路線図を指差し「ココどれ?ココどれ?」で尋ねる。おばちゃんは「あ”?」と言いながらも親切に16番の『麗江市行政中心』で降りろと教えてくれた。「しぇーしぇー」とお礼を言ってバスを待つ。
ヤツがやって来る。。。
それから教わったバスを待つコトかれこれ2時間。バス来ない。。。18番と4番のバスは来るのに16番が全然来ない。時間は8時を回り暗くなっちゃった。次はくるさ!もう一本待ってみよう!でとうとう2時間。周りには人もいなくなりおばちゃんもいつの間にかいなくなっている。
暗くなると不安が増して来る。しかも雨まで降って来た。バスの値段は一律1元なのでどうにかバスで向かいたい。タクシーだといくら取られるか分かったもんじゃない。さてさてどうしたものやらと頭の中で言葉が乱舞する。
『でもバス来ないよ?タクシーで行く?ムダに高いんじゃない?歩く?イヤイヤ2時間コースだよ?じゃぁ後一本だけバス待ってみよか?でもバス来ないよ?タクシーで行く?ムダに高いんじゃ。。。』
思考がループする。決められない状態が続く。自分で自分にどーすんの!とプレッシャー。2時間無駄にしたとか色々言ってくる。過度に優柔が不断な状態。
そんな時は決まってあいつがやって来る。
『あ”ぁぁぁ。。。キタァ!ちんちんがキューンとして来たぁ!あの感覚だ。10年ぶりくらいになっちまった。久々に嫌な感覚だ。どうする?とりまいず決断だ!決めるんだ自分!どうするか決めて動くのだ!決断だ決断!』
しかし僕の場合これまでこのパターンになって良い結果になった試しがない。焦りからの決断はなんでも良いから決断パターンに陥って正常な判断ができなくなってしまう。ただ決断するだけ。もれなくこの時もそうだった。だってこの時決断した答えが『歩いてく!』だもの。うっすら聞こえるもう1人の自分の声。
『いやいやバカバカ!真っ暗な夜の9時に、到着したてで土地勘も空気感も知らない異国の土地を大荷物持って2時間歩く気ですか?しかもがっつり雨降ってるし!リスク高めっすよ!止めときなさいよっ!』て。
でもこうなってしまった僕は気持ちが頑なになっている。聞く耳なし。今はちんちんキューンからの脱出しか頭にない。そして『決めた!行く!』となる。この心いっぱいに広がった不快でマイナスな気持ちをいち早く取り除きたい一心で動き出す。ここにいてもしゃーない!行くぞ行くぞ!と。そんな勢いよく歩き出したところで一台の乗用車が窓を開け声をかけて来た。
「麗江!麗江!」
40代半ばくらいのおっちゃんが麗江市内に行くけど乗ってくか?30元で良いぞと言っている様子。え?マジっすか?安いっすね!そこをなんとか20元でお願いできないっすか?と厚かましくも交渉し20元で乗せて行ってもらうことに。すぐさま荷物と共に車内へ。お陰でどうにかちんちんキューンからは脱出できた。一安心。危なく気温10℃の中ずぶ濡れ2時間ウォーキングするとこだった。
だがこれに関しても乗せてくれたおっちゃんが運良く良い人だったから良かったが、乗り込んだのはタクシーではなくたまたま声をかけて来た一般車。今思えばだが、夜に現地の空気感も知らずにタクシーでもない一般車に旅行者丸出しの状態で乗り込むのは得策じゃない。焦りや不安で正常な判断ができなくなると危険かどうかの判断が鈍りがち。怪しいかどうか車に乗った後に考え出したし。勘ぐってばっかも良くないが最低限注意もしなければ。反省。
雨の中での温かみ
親切な運転手さんのお陰で宿近くまで安く行けた。感謝します。宿がある中心部へは車が入れない美観地区になってるので雨の中歩いて行く。10分ほど歩き地図アプリで確認しながら宿へ向かうも地図が指し示す場所に宿がない。出たよ。またやられた。5回に1回はこれがある。オフラインでも使える無料地図アプリ。言っても重宝してるし無料だから文句は言うまい。だいぶお世話になっておりやす。
ビックリするほど雰囲気のある街中をスマホに送られた予約完了メールに記載された住所を頼りに人に尋ね訪ね向かう。もっとあっちだ、そこを左だと右往左往。そしてバックも自分もずぶ濡れの中3、4人目に尋ねた時にハプニングが起こる。唯一の頼みの予約完了メールが何故か消えて無くなっていた。何度も濡れた手で触り人に見せてるうちに誤操作で消去したっぽい。でも何故かゴミ箱にもない。。。
なんて日だ。。。もう今日宿見つかんねぇんじゃねぇか?にしても雨止まないなぁ。。。
ここまで来ると人は不気味に笑う。ゆっくり座りタバコを吸ってみる。今日何食おうとか妄想し現実から逃げてみる。そして何も解決しないことを知る。今ならマッチ売りの少女の気持ちが分かる気がする。
時刻は10時を過ぎてしまった。野宿案が浮上するも即却下。寒すぎる。探すしかない。今までの情報を総動員して目ぼしいあたりを再探索しよう。行きつ戻りつを繰り返し結局見つからない。なかなかやるな中国。久々にちんちんキューンにさせられるし。
は!そうだ!パソコンの方にもメールが残ってるはずだ!そう思い出し近くにあった宿に飛び込みで入りWi-Fiを借りる。予約した宿探しを同業者さんトコでやらなくてもと思うが、実際はそんなこと考える余裕なし状態。それでも宿の方は快く貸してくれ、事情を知ると僕の予約した宿へわざわざ電話を掛けて下さった。ここまで迎えにきてくれるって!と笑顔で教えてくれる優しさ。自分のとこの客でもないジャパニーズに対するナチュラルな優しさを感じて何度も繰り返しお礼を言った。
10分後予約した宿の人が小さな男の子と一緒に迎えにきてくれ無事に宿到着。さっきの場所からすごく近いじゃないか。ただ奥まったとこのため分かりにくかっただけみたい。やっと着いた。。。駅からここまで5時間かかった計算。安堵感でいっぱい。すると男の子が僕の手を強く握り、宿を案内する!と元気よく引っ張って来る。その手が『うおッ』て驚くほど温かく柔らかかった。
「ココが屋上!下にはウサギもいるんだよ!」
宿の上から下まで無邪気に僕を連れ回す。外国人の僕に人見知りせず自分の知っていることを一生懸命教えてくれている。宿の人も何かスミマセンみたいな苦笑い。その反面僕は今までの疲れやら寒さやらストレスやらが帳消しになった心持ちになっていた。この男の子の手の様にとても温かく柔らかい気持ちに。終わり良ければすべて良しって感じにしてもらったな。少年よありがとう!
自分再発見
それにしてもこのちんちんキューン現象は何なのだろう?精神的なストレスが身体に影響するってのは珍しい話ではないが。ただ何故に僕の場合ちんちんに来るのだ?あと分からないのが怒りでも悲しみでも不安でもなく決断に起因した焦燥感が影響しているっぽいコト。その焦燥感は過度な優柔不断状態で引き起こる。で、この場合の焦燥感にしか反応せずちんちんキューンと来ない。遅刻の時とか全くなし。原因不明。でもなる。不思議だ。
新たに自分の取扱説明書には『決断鈍るとちんちんキューンとなる恐れ未だあり』としておこう。自分ディスカバリー。再発見。旅に限らず生きていりゃそういう発見があるんだな。全く不思議だ。
因みに少年と別れた後に食ったホイコーローがバカウマで白米三杯行けたほど。本当に終わり良ければすべて良し!
了
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