BAGAN LOCAL REPORT[ミャンマー]

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バスが停車しているなと思い目を開ける。窓の外には売店らしき光が見える。辺りはまだ暗い。
 
 
着いたのかな?
 
 
隣のぽっちゃりとしたミャンマー人に「バガン?」と聞いてみる。夜中に足の置き場戦争を繰り広げた仲だけあって「そうだ」とやさしく首を縦に振っている。こりゃいかん。降ります降りますってな勢いで荷物をまとめ小急ぎでバスから降りて行く。
 
 
午前4時半。日の出前に目的地のバガンに到着。
 

本日のFeeling Radio

記事のBGMにどーぞ。

 

Tinariwen (+IO:I) -『Ténéré Tàqqàl』 (what has become of the Ténéré)

 

バガンローカルレポート

ボーッとした頭のままバスの脇でバックパックを受け取り、どーしたものかと突っ立ってみる。
 
 
するとタクシーの客引きが集まりドコイキマスカ?ドコイキマスカ?と値段交渉までスムーズに話を進めて行く。ツイデニ日ノ出ヲ見ニ案内シマス!と次の商売ステップに話が進んでいる。
 
 
 
 
みなさん一旦落ち着きましょうと言うことで、喧々諤々話し合う。結果、予約してあるゲストハウスまで馬車で行くことになった。300円くらい。
 
 
 
徐々に空が明るくなり始める。天気は悪くなさそうに見える。リズム良く足を鳴らし馬車が走り出す。陽が昇りゆっくりと空の色が変わって行く。過ぎ行く風景が全て新鮮に映る。朝のスッキリした空気を体に受けながら町までの一本道を駆けて行く。
 
 
 
 
 
ゲストハウスにほど近いところで馬車を降りる。歩いて難なく発見。早朝にも関わらず無事チェックイン。少しゆっくりしてから近辺の脳内地図を作りにメシがてら散策と行きましょう。
 
 
ゲストハウスを出ると未舗装の道と青々とした木々。南国らしく庭にマンゴーやバナナが植えてある家も多い。
 
 
 
宿近くにある観光客向けの小ぎれいなレストランや旅行代理店、レンタルバイク屋さんが軒を並べる通りを抜けて行く。大通り以外は未舗装の道がほとんど。この辺りは砂浜みたくサラサラした砂なので埃っぽいことはない。町と言うより村と言う雰囲気。
 
 
 
少し進むと緩やかな下り坂が出て来た。その奥では小さな子供が遊んでいるのが見える。向こうにも道が続いているのかな?
 
 
若干ローカル感が強すぎて躊躇し立ち止まってその様子を見ていた。すると横をスッと頭にカゴを乗せたおねぇさんが、僕に「ハロー」と言って通り過ぎて行った。安堵感と好奇心で誘われる様にその後を付いて行って見る。
 
 
 
坂の上から見えていた小さな子供は、お母さんに見守られながら元気に棒を振り回し遊んでいた。「ハロー」と会釈をしてゆっくりと歩みを先へ進めてみる。
 
 
 
この辺りの家は竹を上手に多用している。湿気に強くしなやかな竹を組み合わせ、塀や壁にしていた。あとはヤシの葉とレンガ。家の作りは各家ごとにまちまち。自分で作ってるのかもしれない。
 
 
 
また、えらい子供が多い事に気付く。子沢山の国なのかな?気になり出生率を調べたら、ミャンマーは2.18人で204カ国中104位とほぼど真ん中。ちなみに日本は1.43人と第174位。(2016年6月時点)。
 
 
逆にお年寄りはお昼寝の時間。シエスタってやつだろうか。皆さん家の中ではなく外、または風通しの良い場所でお休み。
 
 
 
 
エアコンなんてこの辺りの家庭には普及していない。実際に日中は屋内より屋外の方が風があり過ごしやすかったりする。他の家庭でも同じ思考になるので、外で人に会い話す機会が増える。日陰に集まり談笑している風景。暑い国は人との距離が近い。
 
 
 
若い連中がサイコロ博打で盛り上がっている。地元の若い人の集まりに近寄るのはちょっと勇気がいる。と言う心配をよそに、こちらなど気にも止めずワイワイガヤガヤ。
 
 
中にはもちろん働いている人達もいる。歩いていると家の庭先で何やらおばちゃんが作業中。カサカサ何かを作っている様子。何してんすか?と近寄って見る。
 
 
 
タバコっすね。ミャンマーの伝統的な葉タバコ。親子だろうか。二人ともとんでもないスピードでタバコの葉をバナナの葉で巻いて行く。1本4円くらい。この作業は女性の仕事なのかもしれない。
 
 
それにしても、こっちの人は愛想がいい。フラッと生活圏に入って来たジャパニーズに対して邪険にも怪訝にもしない。笑顔と挨拶を向こうから先にされることが良くあった。笑顔は敵意がないことを、挨拶は仲間であることをアピールする行為。人類学的には。その国その土地の言葉で挨拶をすることの重要性。
 
 
 
そのまま歩いて行くと、全く珍しくもないのだが野良犬がちょんちょん歩いていた。「あ、犬だ!」と思い後をつけてみる。犬の視点でこの街を見たらどう見えるのだろう。どこか面白いところへ連れて行ってくれやしないか。
 
 
 
えらく野良犬映えする風景を進んで行く。ほうほう。この突き当たりを左に行くわけですね。尾行はまだバレてない様子。一度も振り向かず犬は突き当たりを左へ駆けて行く。見失わない様に急いで左に曲がってみる。
 
 
と、その犬が一軒の家の前にしゃがみ込みこちらを見つめていた。あれ?バレてたのかなと思うや否や、とんでもないボリュームで吠え立てられてしまった。すげぇ怖いので退散。
 
 
 
 
 
 
ミャンマーでは珍しいちゃんとしたグラフィティー。地元の人じゃなく外人がやった説もある。なんだかんだで大通りに出て来てしまった。もう良い時間帯なので腹ごしらえのためレストランへ。
 
 
 
もうちっちゃい街だからみんな知り合いなのかもしれない。一人で来店するお客さんも多いのだが、気付けば皆誰かと談笑談義してる。で、甘いコーヒー頼んで、タバコ吸って帰ってく。これがいつもの風景。毎日。日常。
 
 
明日は日の出を見に行くため、この日は早めに就寝。ここバガンは日の出と日の入りが名物の一つ。天気次第ではこんな写真が撮れるらしい。
 
 

無数の気球と仏教寺院と地平線。そこにドバッと朝日が昇る。これは是非動画を撮っておきましょう。と言うことで明日に期待して就寝する。こちらは無料素材からの拝借。

 
 
 
今回の部屋はもちろんドミトリー。6畳くらいの部屋に2段ベット2台。エアコン付きで5ドル。まだオープンしてから5日目の出来立てホヤホヤなので、現在スペシャルプライスで営業中とのこと。
 
 
オーナーのオンは海外企業のミャンマー進出の手伝いをしていた元旅行代理店エージェント。日本で言う『損して得取れ』的マーケティング戦略で、宿のお客と口コミをまず集めるのだと言っていた。
 
 
 
2段目はありがたいが、朝4時に起きるのに目覚ましとかどうしたら良いのかな。周りは寝てるのに、御構い無しに目覚ましをかけられないね。ここは思案のしどころです。
 
 

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