この日は香港の街並みを一望できるピークマウンテンへ行って見る。香港来たならこココ的な場所。ロープウェイで山の頂上まで向かうのだが10分くらいの道のりが1200円くらいする。観光料金。香港高いな。香港には長居は無用そうだなとか思いつつ登頂。高所から香港を一望すると高層マンション群がびっしり。香港名物の『密集集合住宅』らしきものも見える。今日はその『密集集合住宅』を探しに行って見る。
本日のFeeling Radio
記事のBGMにどーぞ。
MONDO GROSSO -『ラビリンス』
パイ先のBUZZ MONTAGEさんにパスして貰った香港selection
感性とかセンスを売ってんすか?ってくらいカッコイイSelect Head Shop
宜しければ是非!↑
ようこそ『香港過密密集ワールド』へ
例えば、同じモノが大量に集まり異常に過密化した状態を見ると、異様な圧倒感を覚え圧巻することがある。一つ一つは小さな大したことがない見慣れたものでも、それが集まり時に陳列され、時に集合体となると、また別の一つの大きな存在かのように見えたり。マクロとミクロの視点。スイミーみたいな。
ドイツ人写真家のアンドレアス・グルスキーは、そんな写真を得意とする巨匠的な存在。ちなみに2011年当時3億円で取引された作品『Rhein II』が有名。
なんだか見入ってしまうこの『過密密集集合状態』。それが生活空間全体に、日常的に、慢性的に、当たり前の状態として存在しているのが香港。そんなTHE『密集都市』である香港の『密集』ぷりは世界トップクラス。至る所で至る物が『密集』している。
まずは面積に対する『人口密度』。調査機関にもよるがマカオ・モナコ・シンガポールと続き、香港は人口密度ランキングが209カ国中第4位。およそ1100平方キロの面積に700万を超える人々が香港で暮らしているらしい。ちなみに日本は28位。そこそこ上位。
さらにその過密空間を埋め尽くす『密集看板』。香港は上を見上げればどこぞの店の看板がぶら下がっている。場所によっては空が見えないほどの密集ぷり。経年劣化によって醸し出される『寂び』具合はかなりカッコいい。それなりの時間を経過さることでしか出ない風合い。千利休イズム。
そして本日のメインディッシュ『集合密集住宅』。人口過密状態と言うことは慢性的に住宅不足でもある香港。土地がないのに人がいっぱい。となると横ではなく上に居住空間が増殖すのは必然。なので地上70階建なんて言うマンモスマンションも存在する。そんなマンモスマンションや団地が『集合』『密集』『過密』する圧巻の異様っぷりな光景を見に行こうと言う本日のプラン。
30円の香港路面電車トラム
地下鉄で行こうと思っていたら、たまたま2階建の路面電車発見。香港ぽーいって感じでこれに乗って行くことに。トラムと呼ばれどこでも一律30円くらいと路面電車は庶民の足として活躍中。ローカルスタイル。安くて助かる。二階席に座り窓を全開に開け放つ。自然風を顔に当てながら香港を楽しむ。高いところから失礼しますって感じで写真を撮りながら目的地がある太古駅付近へ。
『集合密集住宅』
事前に調べておいたポイント付近で下車。『集合密集住宅』はすでにプロのフォトグラファーによって写真集にもなっている。マイケル・ウルフの『architecture of density』や、ピーター・シュチュワートの『stacked』などが有名。
映画トランスフォーマーのロケ地にもなったらしく今やちょっとした観光名所。ネットで情報が結構出て来る。地下鉄太古駅付近を散策して探そうと思うが先か、現れるが先か、目の前にでかいマンションが見える。おぉ早速なんかあるぞ。
画角に収まんないくらいデカイじゃないっすか!実際は自分も何に興奮してるのかあまり良く分かっていない。でも興奮しているのは間違いないので、気にせずどんどんシャッターを切る。位置を変え、高さを変え、画角を変えしながらちょこちょこ動き回る。
フっと気づくと後ろに新たな『集合密集住宅』がどーんとそびえ立っている。見ると本日の目的の『集合密集住宅』。不覚にも獲物に背後を取られてしまった。この辺りは『集合密集住宅』の宝庫かもしれないぞ。
まだある『集合密集住宅』
おぉ!すげぇな香港!他にもまだあるんじゃないかと思いながら近辺を散策。この辺りは観光や商業地区というより住宅地区な様子。見渡すと大きなマンションや団地的な建物がかなり多い。そんな住宅地の中心にでかでかとご存知イオンモールが据えてあり、この辺りの住民御用達という感じでなんでも揃いそう。個人商店は少ない。
その裏に回って見ると同じ形のマンモスマンションが連なり一塊のように建っている。おぉ!これを下からのアングルじゃなく、平行視線で撮れる場所がないかな?探してみるとイオンモールの屋上を発見。いいですね〜!撮影。楽しいな。
カメラ片手に獲物を探し歩き回って見つけた時やイメージが湧くときは高揚する。写真集を作った人たちもきっと同じ気持ちだったと思う。そしてより深く経緯や歴史を調査してくのはきっと楽しい。アイディアが連鎖して湧いてくるような感覚。大好きな状態の一つ。
太古駅の近くではなく宿近くにも目を引く『集合密集住宅』を発見。色合いとか日本ではなかなか見ない配色が多い。座って車の往来や人の行き交う流れを見ながらシャッターを切って見た。いつもは歩きながらスナップして行く動的な撮影なので少し新鮮。座って待って獲物を捕らえるみたいな。スパイダー的撮影方。撮影タイプ蜘蛛型。うむ。名前がイマイチ。
これらの馬鹿でかい『密集集合住宅』の各部屋は決して広くない間取りの住宅が多い。老夫婦二人が済むのにやっとなスペースだったりする。最低限の広さの四角い空間を積み木のように上へと積み上げ、そこに人を収容するボックスのようにも見えたり。日本と違い地震がほぼないと言う立地も手伝い、老朽化に耐えた巨大マンモス住宅群が多く見ることができる。
『集合密集住宅』のネクストレベル
香港の超過密人口密度で出現したこれらの『集合密集住宅』はまた別の段階というかレベルにまで波及している。またも写真集からの出店で申し訳ですが『香港ルーフトップ 』という写真集がある。これは老朽化したビルの屋上に、住人自ら廃材を使って増築して作った掘っ立て小屋を収めた写真集。屋上家屋が集まりスラム化しているコミュニティーもあるとか。
CNNニュースによると香港の規制ではこうした増築は本来認められていないが、実質黙認されており売買も行われているとか。住宅供給が不足していることから、当局は違法増築家屋の取り締まりを積極的に行ってはいない。こうした屋上家屋によって、約4000人分の住宅需要が賄われている現実が香港にはある。問題提起を含めたこの写真集は間取り図や住民インタビューを含めた作品。
http://propeller-tv.com/archives/7172203.html
2006年の統計によると1556世帯3962人が暮らしている。違法建築ではあるが公共サービスを受けることができ、手紙は届くし、水や電気も使える。住人は「隣はいい人だし、何かあったら警察がすぐに来てくれるし、治安はいいし、下に行けば店がある。軽蔑する人もいるかもしれないが、わたしは絶対に自分を見下しはしない」とニュースは伝えている。
家が無いと言うことは死ぬ確率が高くなる。でも住む土地がないからと言って生きるのを諦めるわけにもいかない。そんな切羽詰まり困窮した状態。やらざるを得ない状況で環境に合わせ生み出された住宅スタイル。
きっと受け身の姿勢や常識を重んじた思考ではできない。下がダメなら上に行く。良いか悪いかより前にやるかやらないか。既成のモノが無いなら自分で作る。既存にとらわれず、自分から獲得して行こうとする動的姿勢と思考は『生き抜く強い意思』さえ感じるなとか考える。スペースは与えられるのではなく探し作るものなのかもしれない。
食料自給率が1〜2%である過密密集シティー香港で『家』を持つと言うことを考える。
日も暮れて来たので本日は解散。宿に戻ることに。この日の夜、親戚のおいちゃんに電話した。お父の弟に当たる人。現在中国で仕事をしていて奥さんは中国の方。せっかく中国に来たんだしということで会いに行くことに。
上海とかある方に住んでると勝手に思い込んでいたが、場所を確認すると広東省東莞市という場所で香港からほど近い。それなら香港まで迎えに行ってやるよと有難いお言葉。ウマイ飯期待してます!なんて言いながら明後日会うことに。
ちなみにですが、本日紹介した曲のMONDO GROSSO -『ラビリンス』満島ひかりが踊っているロケーションも『集合密集住宅』。お気付きでしたでしょうか?
了
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