トメさんの見えないマジカルチケット

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Lookin’ Out My Back Door -『Creedence Clearwater Revival』-  BassAwards Best Videoclip 2014

 

「お兄ちゃん日本人やろ!背ぇ高いし、男前やし、お金持ちそうに見えるさかい直ぐに分かったわぁ」

 

 

 

突然にコテコテと言っていいほどの関西弁で声をかけられ本日スタート。現在カンボジアのシェムリアップ。AM9:00。寝起きがてらコーヒーを買いに立ち寄ったレストランでの出来事。

 

 

 

日に焼けた褐色の肌に恰幅のいい体つきの年配のおっちゃんが一人で朝からガツガツ焼きそばを食べている。年頃はいくつくらいだろう?目尻のシワが優しそうな印象の下町感溢れる人懐っこい笑顔のおっちゃん。

イメージ図

シェムリアップの大阪商人

「やっぱりそうや!見てすぐわかったわ!!これから何処行きはんの?」

 

 

 

箸を休めず話すそのおっちゃんに、そろそろシェムリアップを出ようと思ってるんですよ〜。。。なんて話をしたら「よっしゃ!そしたらな。。。」と言って今後のルートからオススメのポイント情報を山ほど伝授してくれた。

 

 

 

「。。。でな、ここは行っとき!メモしときや!大阪商人は信用第一やさかい損はさせへん!」

 

 

 

言われるがままに店員さんに紙とペンを貸してもらい、大阪商人のおっちゃんの言葉を聞きもらすまじと書き写す。素直に書きながらも『大阪商人』と言うワードが引っかかり意識が散漫になる。集中してとりあえず書き写すことに専念。

 

 

「ワシはもう毎年2回は必ずカンボジアに来とるさかい色々知っとんねん。先月はミャンマーに行ってな。ベトナム行くならもっと色々教えたんで!」

 

 

毎年2回も来てるんすか?完全におっちゃんの方が金持ちじゃないっすか 笑。てか何者なんすか一体? と聞いてみる。

 

 

 

待ってましたとばかりに答えてくれるおっちゃん。聞けば驚いてしまう肩書き。なんでも大阪で数店舗を展開し、従業員550人を超える大型激安スーパーの会長さんとのこと。一代で築き上げた会社はすでに社長にご子息を据えており、仕事はリタイヤ。でも給料を払わないといけないからと言う理由で月に一回、月末に日本に戻っている。あとは自由な旅空の下暮らしらしい。

 

魔法の合言葉

「ワシはもう82やさかい、仕事はようせぇへんのよ」

 

「えぇ!?82歳で一人で旅してんすか!?」

 

「そんなもんいつも一人やぁ!タイやろ、カンボジアにラオス、ベトナム、中国、トルコ。。。あ、でも次の旅行は大人数やな。10月にウチのスパーの福引きで当たったお客さん15人をワシがベトナムに連れてくねん」

 

 

関西弁、オススメポイント、会長、激安スーパー、82歳、ベトナム15名ご招待。もう情報量が多すぎてパニック。82歳と言うことはバンコクのコウちゃんより12歳も年上。それでツアーでもなく僕と同じように個人でフラッと1ヶ月くらい旅している。見た目もそうだがエネルギーが82歳とは思えない。頭の整理もままならないまま話しを続けるおっちゃん。

 

 

「福引きだけやないでぇ!ウチはな、コロッケ1円!タマゴも1円!お客さん第一や!それでも商売が成り立つんねん。有難いことに売り上げが出とる。お兄ちゃんは東京やろ?これは東京の人にはちょっと分からんことかもしらんなぁ」

 

「アレですか?日本で昔から言う『損して得取れ』って感じの?」

 

 

マサにと言う感じでこの『損して得取れ』と言う言葉が今回最大のキーワード。ある意味で魔法の合言葉。それを聞いたおっちゃんはグッと握手を求め「そう言うことや!」と言って立ち上がりだした。

 

 

 

おぉ!なんか当たった。まぁ、言ってもこちらだってリヤカーで行商をやってた身。『近江の三方良し』に次ぐくらいの有名な言葉だってことくらいは知っているんだぞ。なんて思っていると、

 

 

「お兄ちゃんベトナムにも行くゆうてたな!そしたらなココ行き!ココ行ってな『トメさんに聞いて来た』言いや!」

 

 

と、トメさんと名乗るこのおっちゃんは僕にベトナムのフエと言う街の、とあるホテルの名前を教えてくれた。あとで調べると、あの高名な『地球の歩き方』にも掲載されているホテル。そこそこイイ値段。

 

 

「ここ行ってな、『ハルさんいますか?』って聞きや!その人がオーナーやさかい。その人に『トメさんに聞いて来ました』言うたら良くしてくれはるわ!このホテルこの前一つ星から二つ星に格上げになったんやで!そこに2〜3ドルで泊まれるんとちゃうか。悪いけど今の宿と全然ちゃうで!アカンか?」

 

「いやいや!アカンこと全くありません!でも良いんですか?トメさんの名前を出して」

 

「わしがそうセェ言うてんねやからドンドン出しや!あとはわしは知らんでぇ!それからな!ここ行ったらコーヒー飲み!タダやさかい!ここのコーヒーはすごいでぇ!あのな。。。」

 

 

と、トメさんの美味しいコーヒートークが続く中、こちらはなんとも狐につままれているような感覚。どうやら僕はトメさんから今、目には見えないがベトナムのフエと言う街で使える特別優待チケットを手に入れたみたいだ。そしてこのマジカルチケットの使い方は『合言葉方式』になっているところがミソ。『トメさんに聞いた』と言う言葉は『開けゴマ』と同じ役割を持っているらしい。

 

狐か狸か

簡単に言うと、シェムリアップの朝、コーヒー買いにレストラン寄ったら大阪商人と名乗る某大型激安スーパーの会長さん (82)に出会って、10分もしないうちに『ここへ行け!』と司令の様なお宝情報を授かって、そこで何かしろと言うことではなく、ランクの高い宿に美味しいコーヒーで、ただただイイオモイをしなさいと言うことになったと。

 

 

 

いや、やっぱりなんとも狐につままれているような感覚。トメさんの見た目から言うと狸?

 

 

 

この『狐につままれているような感覚』って感じたことありますか?とか急に質問してみる。あんまり日常的には起こらないこの感覚。このあと僕はトメさんに別のパターンで再度『狐につままれているような感覚』にまたさせられることになる。

同じアホなら行かなきゃ損々

その後、トメさんが宿を見たいと言って僕の泊まっている宿を見に行くことに。なんだかんだ一通り見た後に宿の一階部分にある共有スペースへ。そこにはソファーやベンチ、寝転べる場所があるので休憩がてらおしゃべり。

 

 

 

共有スペースは欧米人の他に、たまたま日本人の若い子たちもそこに。観光も終わって一旦宿でまったり休憩中と言った感じの大学生くらいの男女3人組。

 

 

 

そんな共有スペースに、せやろせやろとトメさんが入って行く。腰を落ち着けたトメさんは止まらない。周りに日本人がいると知ってか知らずか声のボリュームも大きくなる。そしてピークに達した時おもむろに立ち上がり、僕に背を向けたまま

 

 

「わしは従業員550名から養う会社の会長やでぇ!!信用第一や!!嘘は言わへん!」

 

 

と、喝破したの後にくるりとこちらに振り返る。歌舞伎の大見得を見せられているかの様な振る舞いに、思わず『よっ!』と合いの手を入れたくなる。大演説という感じで話すトメさん。

 

 

 

こうなると『トメさんのマジカルチケット大盤振る舞い』の展開になる匂いがプンプンしてくる。トメさんはその気満々に見える。しかし若い子たちはピクリとも動かない。と言うかこちらを見ない。

 

 

 

これだけの大きな声と関西弁から放たれる違和感ある日本語たちに反応しない。こんなにもカンボジアで違和感あるおっちゃんを無いものとできることに驚く。もしやトメさんは俺にしか見えないのでは。。。完全にタモさんが出てくる展開。やっぱり狐につままれている様な感覚。。。

 

 

 

そして何も起きないまま帰り際、トメさんは僕に歯ブラシにトイレットペーパーに水にベトナムの地図にと色々な旅アイテムを授けてくれた。そしてトメさんは颯爽と自転車に乗って去って行った。パワフルで陽気な大阪商人ことトメさん。心意気の人。

 

 

 

何はともあれ僕はこの日、トメさんと言うおっちゃんから目には見えない『マジカルチケット』をもらった。なんとも不思議な体験。面白い展開になって来た。もし化かされていたとしてもベトナムに行くのが楽しみでしょうがない。マジカルチケットの行方やいかに!

 

 

 

乞うご期待。

 

 

 

了。

 

 

※ご迷惑になると行けないので、一応登場人物は仮名で書かせてもらってます。

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5 Responses

  1. […] なんだかんだ16時間きっちりでバスはフエの街に到着。今回はトメさんの見えないマジカルチケット(←全てはここからの始まり。良かったら読んで見てくださいな)があるので宿は事前 […]

  2. […] なんだかんだ16時間きっちりでバスはフエの街に到着。今回はトメさんの見えないマジカルチケット(←全てはここからの始まり。良かったら読んで見てくださいな)があるので宿は事前 […]

  3. […] 候で精気を養い次の街へ移動する。お次はフエという古都。カンボジアで出会ったトメさんにもらったマジカルチケットを使わせてもらいに行く。こりゃ2都市連続チルアウトかな。。。 […]

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