人生最大にして最強の敵

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バックパッカーの世界には『沈没』という言葉がある。『旅を生きる人びと―バックパッカーの人類学』の著書で人類学者ある大野 哲也さんは『沈潜』という言葉を使っている。なので学術的には『沈潜』と言うのかもしれない。簡単に言えば移動や観光をせず一箇所に留まる旅の停滞のこと。

 
僕はメークロン市場のミニチュア動画を撮り終えた後、あの高揚感が嘘のように何もする気が起きず、ただ怠惰な日々を送っていた。15時過ぎにノソノソと起き出し、朝方までママのゲストハウスでダラダラ過ごす。何をする訳でもなく腰が痛くなるほど寝る日々。メンドクサイが顔を出す。
 
 
単に雨だけのせいだろか?
 
 
 

本日のFeeling Radio

記事のBGMにどーぞ。

 

Anouk -『Mauvais Sang』

 

 

マインドコンディション

 
すると何故だろう。何もしない、旅が前に進まない事に対して罪悪感みたいなものを感じ始める自分に気付く。しかしながら如何せん気持ちが乗らない。やる気が起きない。なので何もしない。
 
 
でも、何もしたくないと言う自分の気持ちを優先させると、ウツウツとした気持ちになって来る。やった方が良いと思っていることがあるのに、やる気が出ずやれていない。思いと気持ちの離反。それがこの感情の原因っぽい。
 
 
それじゃぁと、自分の気持ちを優先させずに、無理やり動いてみるとどうなるのだろう。心が乗らないのなら身体を動かしてみよう。今は気が乗らないが、気は後から付いてくれば良い。
 
 
動くと言っても何でも良い訳ではないはず。僕のこの場合ランニングとかそう言う事じゃない。原因は旅の停滞だとすれば、旅を前に進める。または作品を作る。そうすればまた乗って来るんじゃないか。
 
 
僕はこんな気持ちの状態がちょいちょい訪れる。古谷実はグリーンヒルの中で言っていた「人生最大にして最強の敵『メンドクサイ』にうち勝ち・・・」と。全くの同感。僕は生まれた時からの基本設定で『怠惰』が人より多めに組み込まれているのかもしれない。この気分の気まぐれな起伏。ミンナあるのかな?自分でうまくコントロールする術を見つけて行こう。
 
 
早速、ネットで次の候補地を検索する。しかし、この検索作業も今はメンドクサイ状態。それでもやってみる。すると、こんな気が乗らない状態でも一箇所だけ気になる場所がヒットした。
 
 
場所はミャンマーのバガンと言うところ。そこにポッパ山と言う小高い岩山があり、その頂上にお寺がある。天空の城ならぬ天空の寺。画像を見てメンドクサイより行って見たいが顔をもたげる瞬間。ここを動画で収めたい。
 
 
 
「ここに行こう!」
 
 
単純なもので気分が軽くなった気がした。
 
 

 バンコクからミャンマーへの行き方

 
バンコクからミャンマーへはバスを乗り継ぐ陸路で行くことにした。飛行機だとヤンゴンと言う街まで1時間ちょっとで4千円程度。バスだとタイとミャンマーの国境まで8時間。そこからバスを乗り換えヤンゴンまで10〜14時間。交通状況で前後するらしい。こちらは約2000円程度。
 
 
何故か飛行機だと簡単に行け過ぎる気がして気が乗らない。しんどければ帰りは飛行機にしようかとかは考えつつ。
 
 
バンコクの旅行代理店を回り安いバスを探す。この時点で既に最初のウツウツとした気持ちは殆ど霧が晴れた様になっている。自分のやる気なんて信用できないもんだと思った。と言うか毎回そう思う。簡単に変わるココロ模様。良いお付き合いをして行きたいものです。
 
 
最初に行った代理店のオネェさんは、10分経っても資料の中から目的のバスを見つけられず苦笑いで「ソリー」と言っていた。
 
 
 

ミャンマービザ発給センター

調べるとミャンマーは入国にビザがいる。ビザはバンコクにあるミャンマー大使館で取得でき、申請から発行までの日数で値段が大きく変わる。もちろんその日発行が一番高い。今日は金曜日。土日を挟むと無駄に4日間待つことになる。細かい国家商売。したたかさは時に大事なサバイブ戦略。致し方なし。
 
 
 
こんな情報は今やネットでわんさか溢れ出ている。先達のバックパッカーのブログとか諸々で。ネットの普及で事前に情報を集め、ルートや値段を調べ知識を持ったまま知らぬ土地へと向かう。地図はスマホに持ち変わることで自分の位置も分かってしまう。これには賛否両論あると思うが、ビビリで方向音痴な僕には有難い話し。
 
 
結局、4日間待つ間の食費や諸経費を考え、高いがその日発行で行くことに。こんな感じで旅は行政処理が伴う高度で教養が必要な遊びなのだ。。。と言いたいトコだが、情報飛び交う今の時代。いたって簡単なので心配せず、皆さんどんどん旅に出て欲しいと願うばかり。
 
 

バンコクとしばしの別れ

 
5/4の22時20分発の夜行バスでメーソットと言う国境の町まで行くことに。その間、アッパーで軽薄で大好きなカオサンとはしばしのお別れ。
 
 
  
 
 
 
 
 
最近のコウちゃん。
 
 
 
 
ゲストハウスのママにバスでミャンマー行くと言うと、バスで食えと言って袋いっぱいにタイのフルーツをもらった。ばぁちゃん家に行ったときを思い出す。ばぁちゃん元気かな。
 
 
 
出発地はタイの北バスターミナルと言われているモーチットバスステーション。宿泊地のカオサンからタクシーで20分程度。値段は330円くらいで行けた。このタクシーのおっちゃんは65歳で孫がいると言っていた。うちの両親よりちょっと若いくらいか。それでも未だ現役で運転の仕事を朝9時〜21時で続行中とのこと。頭が下がります。
 
 
 
定刻通りバスは光溢れるバンコクを出発。風景はすぐに街灯しか見えないような閑散とした暗闇の中へと変わって行った。効き過ぎていると思うほど冷房で冷え切った車内で、ひざ掛けにくるまりながらミャンマー国境を目指す。寝て起きたらミャンマー国境。ワープします。
 
 
 

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