昆明の現実リアル脱出ゲーム[中国雲南省]

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夜通し走り抜いたバスが中国雲南省にある昆明に到着したのは朝の9時頃。大きなバスターミナルで停車し、運転手が馬鹿でかい声で到着を告げる。乗客全員がのそのそとここで降りる。ラオスより北に来た分だけ涼しさが出て来た。とうとう来たか中国って感じで一人感慨深く辺りを見渡す。昆明凄く綺麗じゃないか。

 

 

本日のFeeling Radio

記事のBGMにどーぞ。

 

Derrick Morgan -『Reggae Train』 (Live) – Meets The High Notes

 

ファーストステップ!『地下鉄で宿まで向え!』

事前に調べておいた情報だと、ここから地下鉄で昆明の中心地まで向かう。このバスターミナルは宿がある中心地から少し外れた場所にある。なので中国でのファーストステップは『地下鉄で宿まで向え!』である。まずは中国マネーをゲットしないとだな。付近でATMを探し現地通貨を引き出す。これがないと何も始まらない。便利な現代では日本で作ったクレジットカードで現地通貨が引き出せる。今のところすべての国で問題なく引き出し可能。中国もまた然り。

 

 

地下鉄の駅周辺は人が多く、それを目当てに屋台や物売りが商売を始めている。賑わう声と人の往来の多い方へと行ってみる。ただでさえ声の大きな国民性。歩道にバイクを乗り上げワーワー言ってるのもいれば、バスの呼び込みに商売の口上。賑やかこの上ない。人の音量に少し気後れする。オレよ一旦落ち着きましょう。

 

 

たまたまマクドナルドを発見。ザワつく気持ちを落ち着かせようとホットコーヒーを買いに行く。日本と全く同じで朝マックもある。店員さんにオーダーする。うん。やはりそうですか。。。英語が全く通じないんですよねぇ中国。で、すぐ「あ”?」って言って来る。なのでジェスチャーと指差しでオーダー。何とか購入。ついでにトイレを借りて歯を磨く。30時間のバス移動でお口の中がキモチャーチー。

 

 

気を取り直して地下鉄で昆明中心地にある宿へ向かう。切符の買い方は観察しながら盗み覚える。ほうほう。そんなに難しくはないぞ。漢字ばっかなだけで行き先を選んでお金入れるだけ。タッチパネル式。ヒントや情報をかき集める。何だかリアル脱出ゲームみたいだ。お次は飛行場にあるような荷物検査機に荷物を通してチェックを受けてと。やること多いな中国。それでもどうにかここから抜け出せそうだ。

 

 

イカガワシイ&うっとうしいオヤジ退治

中心地までは20分くらいで到着。地図を見ながら無駄にキョロキョロ。あえて駅から近い宿にしたからすぐに着くはず。なのに地図が指し示す場所に目的の宿が見つからない。右往左往していると客引きなのか一人のオヤジが話しかけて来た。混じりっけなしのオンリー中国語で何か言って来る。多分、宿の客引きとだろうと思って「いや大丈夫、大丈夫」と振り切ろうとするもずっと付きまとわれ中国語で話しかけて来る。

 

 

「這#$%是很小+`!&的還#$%”@有很長&%&!的路*+要走!」

 

「ん? NO!SORRYね」

 

「我$&仍%&@;@然日%生活@:][時我還&!*+?會上學!」

 

 

 

 

うわ。なんか強引だな。全く引かないし。一体このオヤジは何を言っているのだろう?「Hotel?」と聞いてもウンともうなずかず、ずっと中国語で話しかけて来る。ホテルなら予約してあるからとスマホで予約完了メールを見せたりしてみたり。それでもこっちに来いと建物の脇に誘い込み僕の荷物を運ぼうとする。イカガワシイ上にしつこいな。

 

 

「NO!NO!だから大丈夫だっての!」

 

 

断っても断っても言葉が通じない為かずっとぴったり寄り添いでかい声で話しかけて来る。こっちはオヤジの言葉が分からない。そしてこのオヤジもこっちの言葉が分かってない。だからと言って諦める訳ではなく、一方的にどこかへ強引に連れて行こうとして来る。何だかうっとしい。そして自分都合な感じが少し腹立たしい。

 

 

「在同#%$&樣%令*+的一天還’%#&%在學習還?&活%著新$#&興我會$&去上!」

 

「だからNo!さわんなや!」

 

「心$#和身&體#靈*和@無:辜無辜$&的黃@¥金女人!」

 

「っだから何や!訳わからん!大丈夫やって言いよろうがっ!」

 

 

イラっとしたのもあり少し大きな声で言ってみた。日本語で。相手と同じテンションで。すると向こうも言葉は分からずともテンションで何かを察したのか引き下がった。そしてそれ以上は付きまとって来なくなった。

 

 

ふむ。なるほど。これは効果的だぞ。相手のテンションに飲み込まれると、そこをつけ込まれる事がある。そんな時は飲まれない様に相手のテンションに同調、もしくはそれを上回れば良いんだなと。また旅の技術が一つ増えた。レベルアップ。

 

 

チャイニーズスタンダード

しかし、オヤジを追っ払っても宿が見つかる訳ではない。地図が間違っているのか同じところを巡回し、また来た道に舞い戻る。しょうがないのでその辺の地元の人に聞いてみる。一応住所は控えてある。それを見せてここどこ?と聞いてみる。さっきと打って変わって笑顔で聞いてみる。2、3人に聞いたが皆揃って道の反対側にあるでかい高層マンション群を指差す。

 

 

いやいやいや、それはないんじゃないかと思いつつも教えられた方へ行ってみる。明らかに地元の中国人の人たちが住んでいる感じ。もちろん宿の看板も出ていない。やっぱり宿らしきものはない。ほらやっぱないじゃん。でもないと困る。マンションのガードマンに聞いてみる。すると10号棟に行けと言われる。あれ?ここで合ってるのかな?

 

 

マンション自体は綺麗で管理が行き届いている感じ。マンションはオートロック & フロントマンがその前に立っていて勝手に入る事ができない。フロントの人に聞いてみると、おもむろに携帯で電話をし始めしばし待てと言われる。しばらくして男性が中から出て来てマンション内に僕を案内してくれた。どうやらここで合ってるらしい。分かりにくいな中国の宿。これが現代のチャイニーズスタンダードなのか?そして28階にある一室に通される。

 

 

何だか友達の家に来たみたいな宿だな。生活感すごい。日本で言うとこの民泊みたいな感じなのかな?リビングが共有スペースの様になっている。宿泊客は中国の人ばっかり。しかもずっとゲームしてる。わざわざ宿に泊まりに来てスマホでゲームするのが今のチャイニーズスタンダードなのか?よく分からんがこの宿ではそうなのだろうと見たままを受け入れる。

 

 

セカンドステップ!『窓口にて寝台列車の切符購入!』

何にせよファーストステップクリア。脱出成功し宿に到着。1日が長く感じるな。まだまだ続くぞセカンドステップ。お次は『窓口にて寝台列車の切符購入!』。ここ昆明から北に行った麗江と言う街まで行くための切符の購入。それを機械ではなく窓口で。一応、中国はビザなしで15日滞在できるのでちょっと観光しに行こうと言う魂胆。

 

 

宿から歩いて5分圏内に昆明駅はある。近くてラッキー。ここでも厳重な荷物検査を受け中に入る。どんだけ警戒中なんだろうか。中に入り窓口を探す。一応、切符購入はネットの予約サイトがあり日本語対応。スマホでも切符の予約購入ができるのだが手数料がかかる。それをケチって窓口チャレンジ。

 

 

英語表記なしのオンリー漢字。しかもなかなかの混雑ぶり。20分ほど並んでやっと自分の番に。携帯画面に『麗江』の文字を出しそれを見せる。そして次に聞かれるであろう日時。明日という中国語の『明天』を携帯で見せる。事前に調べておいた言葉『明天』。ここまでスムーズ。窓口係りの人にも通じてる。しかし残念な顔で首を振る係りの人。どうやら席が満席でないと言われる。え?ウソでしょ!?

 

 

それ以上の交渉する技術を持ち合わせていない僕はおめおめ退散。困ったことになった。移動できない。。。後で知ったのだが、ちょうど中国の建国記念日である国慶節と僕の移動日が被ってしまった。ニュースでは中国国内外を合わせて7億人以上が旅行すると言う。7億人。。。やっぱすげぇな中国。そりゃ席ないわな。

 

 

そうとも知らず困り果て、一旦宿に戻りWi-Fiを繋げどうにかならないか調べる。すると、座る席はないが立ち席という形でスタンダップ式チケットが存在する事が判明。何だよ言ってくれよ!って言ってもらっても言葉が通じないのか。そうと分かれば再チャレンジ。荷物検査を再度受け駅構内へ。

 

 

『この惑星の住人は・・・』

何とか買えた!これで明日は移動できる!セカンドステップクリア!なんだかんだで切符購入までに3時間もかかったじゃないか!苦労した分嬉しいぞ!安心したら腹が減って来たな。ぷらぷら街歩きをしながらメシ屋を探そう!

 

 

日本と似た様な都会の街並の中にも、所々イビツなモノや中国らしさが顔を出す。路上で昼寝する人、大荷物の運搬、ラスタカラーを全身を使って表現するおばちゃん。

 

 

初めての国や街は、初めて入った日が一番新鮮。自分の感覚が土地に慣れて来る前、自分がファーストインパクトに対してどう反応するか。あれも珍しい、これも目新しい。そんことするんだ、あんなことするのかと。この状態が好き。缶コーヒーのBOSSのCMでトミーリージョーンズ宇宙人が『この惑星の住人は・・・』と言うあの感じに似ている。あの視点すごく好き。

 

 

 

『感覚』VS『思考』

メシ屋を探しているはずが歩を進めるたびに目新しいものを見つけさらに歩を進め写真を撮りまくる。いつの間にか暗くなって来た。いい加減腹もペコペコ。結局駅近くにあった安くて色々な惣菜を選んで食べるお店に入る。店の前に出された料理たち。あげた魚と豆腐料理、チンジャオロースみたいなのにもやし炒めを選択。350円くらい。

 

 

 

おや?

 

 

一口まず口に入れてから気付く。傷んでないか?と。明らかに臭う。これが本場の中国料理なのか?確か中国には臭豆腐という匂いのキツイ食べ物がある。そして頼んだ惣菜の中に豆腐料理が入っている。これか原因は?いや待て待て。こっちのもやしも嫌な匂いがしてるじゃないか。思えばあのお惣菜たちは、昼間日中も表に出され今作ったものたちではない。こいつらは丸一日店の前で日差しを浴び切った料理という訳か。

 

 

僕の感覚センサーは赤色信号で『STOP』を提示して来るが、思考は経験値と照らし合わせ『GO』を出して来る。明日は約8時間の電車移動。明日になってお腹痛くなったりしても嫌だな。でも残すのも勿体無いし。の葛藤をしながらも、旅レベルが上がって来てるからこれくらいならオレのお腹は大丈夫!オレの旅レベルが勝つか負けるかは明日になれば分かるっしょ。と、思考側に軍配を与え、腹をくくり全部食べてみる。勝敗やいかに。

 

 

いやぁ食った食った!満足感いっぱいに宿に戻った辺りですでにお腹が痛くなっている。もう負けた。。。明日どころか食後30分で負け決定。旅レベルは上がってない様子。久しぶりにお腹を壊してしまった。明日1日中トイレに駆け込まないといけなくなったらどうしよう。とか考えるもトイレ一発でお腹の調子が治る。不幸中の幸い。良かった良かったと安堵し就寝。これからは思考よりも自分の感覚を重視して行こう。旅の教訓。

 

 

 

明日は別の麗江に電車移動。

 

 

 

 

 

 

 

 

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  1. […] “昆明の現実リアル脱出ゲーム[中国雲南省]”の記事と一緒に聞く  […]

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