何もしないをするラオス[ルアンパバーン]

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脳内会議

ベトナム出国日前日。喉の痛みから始まった異変は、とうとう咳と微熱で身体を倦怠感が包み込み始めた。単純に動きたくない気分。この体調のまま中国入りするのはどうも不安。そんなことを思っていると、不思議にも脳内で新たな案がふわふわ浮かび上がる。『ラオスで休養しちゃえば?』と。

 

 

この旅でなんとなく飛ばして旅をしていたラオス。自然豊かで田舎なイメージのTHE発展途上国。見どころも思い浮かばない。行く予定は皆無。だったのだがここに来て急浮上。そののんびりした雰囲気が身体を休めるのに丁度良いんじゃないかと僕の脳内会議は結論付けたらしい。『何もしないをしに行きませんか?』と。

 

 

 

なるほど面白い提案ですねと思い、ネットで早速実行可能か調べてみる。ベトナムの首都ハノイからラオスへの交通機関の有無。その後ラオスから中国へ陸路で入ることが可能かどうか。うむ。。。行けちゃいそうですね。ただしバスでベトナム〜ラオス間の所要時間30時間とある。ラオスの悪路を冷房ギンギンバスで30時間。ですか。。。

 

 

 

単純に『体調不良』+『バス移動30時間』 = 『体調悪化』と言う方程式しか思い浮かばない。残るは飛行機。値段が倍に跳ねる。飛行機だと12000円くらい。宿が1泊400円の世界にいると超大金。お金と体調を天秤にかけて悩む。結構悩む。嫁に相談する。

 

 

「飛行機で良いんじゃん?無理したらいかん!」

 

 

POPでライトな感じで言われ、「ですよね〜!」とホントは飛行機で行きたかった自分が顔を出し活気付く。ヨシ!飛行機で行く!行き先はラオスのルアンパバーンと言う街。決め手はこの地の名前をたまたまベトナム旅行者から2〜3回聞いていたから。うむ!ラオスに何もしないをしに行こう!自ら進んで沈没ライフ。

 

 

ベトナム最終日

ベトナム最後の夜。未だ体調不良中。力を付けんといかんと言うことで肉を食べに行く。ウマイ飯屋探し。金を出せばそりゃウマイ飯がたらふく食える。そうも行かないので歩いて目ぼしい飯屋を探す。実はここ最近ウマ飯探しのポイントが分かって来た。簡単な話し、飯時に地元の人で溢れかえっている飯屋は安くてウマイ。ポイントは地元の人でごった返していること。

 

 

程なくして条件をクリアしている飯屋を発見。なんなら満席で席に着けず時間を潰しにフラッとその辺を一周しなければならないほど。間違い無いでしょう!

 

 

 

予想通りのボリュームと値段。180円くらい。サフランライスの様な黄色く炒めたライスにお新香的な野菜と鳥モモ肉がドーン。ケチャップ風味のソースに辛味が合わさり食欲増進。キムチと鶏肉のメニューも旨かった。相変わらずベトナムは飯ストレスがゼロ国家。

 

 

 

世代認識

そう言えば街中にオバマさんの看板を掲げたお店があった。ベトナム戦争終結からまだ40年ほど。戦争体験者はバリバリご存命の現在60代の親世代の人が多い。あまり米国に対して嫌悪感とかないと言うことなのかな?そんな思いから泊まっていた宿で働くベトナムの若い男の子に聞いてみた。アメリカに対してどんな見解なの?って。

 

 

 

「う〜ん。僕の親はアメリカのことが好きじゃないね。戦争にも行ってたし。でも僕や僕の友達はもう歴史って感じあまり気にしてないよ。どちらかと言うと未来の方が大事だから」

 

 

20代半ばくらいの子だと思う。しっかりしてんなぁと思った。どちらかと言うとベトナムにとって中国の方が問題だとも言っていた。日本と同様に領土問題が起こっているらしい。中国とベトナムは共に社会主義国家という位置付けだが仲が良いと言うことではない様子。国が変われば制度も文化も価値観も変わる。旅をしていると時々難しい問題を考える機会が訪れる。自分の無知を知る機会でもあったりなかったり。

 

 

何もしないをしに行こう

そして翌日。ラオスに飛行機で向かう。空港までは公共バスで150円くらいで向かう。宿でタウシーを頼もうとしたら2000円くらいした。危ない危ない。

 

 

 

 

あとはガイ・リッチー的編集でラオスまでドビューン!

 

 

 

ラオス!

 

 

 

 

地図アプリを見てみると空港から宿まで歩いて45分とある。行けちゃう距離。タクシーに乗り込む人を尻目に空港から歩き出す。空港周辺は想像以上に真っ暗。こう言う時に怖いのは野良犬。無駄にテリトリーを侵されたと吠え立てられることがある。存在をアピールする意味でも、自分を励ます意味でも少し大きめの声で歌いながら進む。

 

 

 

ノイズ現る

途中に川があり橋が出て来た。そして僕はこの橋にテンションが上がってしまった。一応、鉄橋の様なのだが外枠だけで通行部分は板敷き。隙間から下の川が見える様な感じ。車は通行することができず、人が一人通れるくらいの幅で木の板が敷かれている。その100メートル以上ある板の上をバイクがバンバン走っている。

 

 

 

えぇ?ここ歩いて渡るんすか?と戸惑い立ち往生。こんなとこ荷物持ってノソノソ歩いてたら後ろからバイクにどやされること間違いなし。すり抜けも追い抜きもできない幅の板の道。コマッタコマッタと横を見る。するとさらに細い歩道が控えめに茂みに覆われる様に存在していた。ここしか無いわな。

 

 

 

これがものすごい怖い。笑っちゃうくらい怖い。足元には縦3枚に心もとない板が向こう岸まで伸びていてるだけ。板と板との隙間も大きく空いている。そこからダイレクトに下の川面が見えちゃっている。だけならまだ良いが、腐敗して板が大きくかけているところもある。そこに街灯のない暗闇と言うオプション付き。足元もよく見えない。荷物と共に落下は大エンディングを迎えサライが流れ出す。これには爆笑。超怖い。一人でエレクトしながら渡る。

 

 

 

これこれ!こう言う感じ!ベトナムでは感じなかったこの感じ!これこそノイズ!テンション上がるわぁ!とか思いながらもまだまだ宿には着かない。やっと街らしきところまでやって来た時にはすでに夜の10時。45分どころか1時間半かかった。歩いて。体調が悪いのを忘れるくらいの天然アトラクション。やるなぁラオス。

 

 

2日ほど街の中心地にある宿に泊まった後、少し街から離れた宿に移った。如何せん咳と微熱が続いている。緑の痰もまだ出る始末。しかも南京虫に食われ禿げるほどかゆい。なのでゆっくり何にもしないを実行できる南国感満載のチルアウト宿に移動。

 

 

 

ラオスは沈没するにはもってこいの国。僕みたいな貧乏旅でもこんな景色を堪能できる宿に泊まれる。ドミトリーで一泊500円くらいだったかな。無駄に高いお金を払わずとも探せばあるものです。ここでゆっくりブログ更新しながら休んで中国入りに備える。予定外と想定外を楽しんで行こう!

 

 

 

 

 

 

 

 

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